良いライバルになれると思ってた。
↑これは柵に乗ってて可愛かったから撮ったSS
(以降、槍術士クエストネタバレ含)
私はまだ、三人目に勇気を認められずにいた。(時間がなかった)
槍術士レベル30になって、先日の地下迷宮の寄り道もあったが、近くまで来ていたので、認めさせるのが難しいらしい三人目に会いに行った。
想像してたより、シュッとしてた。斧とか持ってそうなムキムキ想像してたけど、そうだ、それはジョブ違うわ。
なんやかんやあって彼にも認めてもらい、グリダニアに戻って、
あいつとの因縁の戦いに向かうことになる。
あいつだ。何かと突っかかってくる上から目線のあいつ。
彼のやり方は認めるわけにはいかない。いつだって、他者を危険にさらすようなやり方で、勇気と無謀をはき違えているような男。
もっと早く会いに来てほしかったみたいなこと言うじゃん。
構って欲しいんだろうな、とか。
寂しいのかなとか、直接勝負に挑みに来てくれたら、毎日だって付き合ってやるのに。
そんなん勇気じゃなくてやけくそだろ。一歩踏み出せもせず、その場に立ち止まり続けるそれのどこが勇気だっていうんだ。
と思えども、その感情が自分にとっての『勇気』であると定義付けたフールクと私は永遠に分かり合えない。互いに、勇気と名のついた感情が別のものだったってことだ。
ここで一騎打ちが始まるかと思えば、二人きりじゃなかった。
一人で立ち向かう勇気すらないのか、とはもう思うまい。それはつまり、彼が一人では太刀打ちできない、一人で挑むのは蛮勇だと考えたからかもしれない。
さしで勝負、なんて約束もしてなかったからね。でも、邪魔されずに戦いたかったんだよ。
結局、彼の仲間も倒して、追い詰めた。
後がなくなったフールクの、雨の中、錯乱したようにおびえたように私を見る顔が忘れられなくて、それで
え?
え、ここから救出クエストとかないんですか。
暫く、この場で放心してしまった。こんなの、勝ちでも何でもないじゃないか。
怯えた人を、高いところから足を踏み外して落ちてしまうまで追いつめただけじゃないか。
ああでもそうだ、ここで倒れている槍術士の仲間たちを助けて、安全なところに連れ帰らないといけない。
生死が分からない相手より、目先のまだ助かるかもしれない命を優先するのは当たり前だ……。
急ぎグリダニアに帰った私は、イウェイン先生に報告した。
彼を倒して、もしかしたらこれ以上広がる被害を食い止めたのかもしれない。
フールクがしたことは悪いことだ。たとえどんな理由があったとしても、悪いことは悪い。
だけど、悪いやつだから、どうなってもいい、というのは違うと思うんだ。
なのに!ここで、私の試練は終わってしまった。
ここから捜索も、救出に行くこともできなかった。
一度曲がってしまった人を元に戻したいのも、こちらのエゴ。
彼はもう戻れないところまで来てしまっていたのだろう。
だとしても、落ちてしまったあの人を、探しに行くことくらい許されても……なんて悶々と考え込んでしまった。
死んだなんて認めないから。
絶対生きて、いつの日か、相容れない勇気をもって今度こそ私に勝負を挑みに来てほしい。あんな終わりする奴じゃないって、信じてるから。